車いすの足が落ちていませんか?フットサポートの巻き込み事故を防ぐ3つの確認ポイント

目次

はじめに|車いすの安全は足元の確認から

本日の福祉用具安全情報は、車いすの「フットサポート(足置き)」から足がずり落ちることで起こる巻き込み事故についてです。

車いすでのお出かけは、ご高齢の方にとって買い物や通院、家族との外出など、生活を豊かにする大切な機会です。

しかし、車いすの足元には見落としやすい危険があります。

公益財団法人テクノエイド協会が公開しているヒヤリハット事例には、利用者の足がフットサポートからずり落ちていることに介助者が気づかず、車いすを走行させてしまった事例が紹介されています。

足が落ちた状態で走行を続けると、車輪や周辺部品に足が接触する危険があります。

今回は、ご家族や学生の皆さんにも知っていただきたい、車いすの足元を守るための3つのチェックポイントを紹介します。

なぜ車いすから足が落ちてしまうの?

フットサポートは、車いすに座ったときに足を支えるための部品です。

しかし、利用者の身体状況や座り方、車いすの調整状態によっては、足が正しい位置からずれてしまうことがあります。

主な注意点は次のとおりです。

① 足を自分で元の位置に戻せない

筋力の低下や麻痺、関節の動かしにくさなどがある場合、足がずれても自分で元の位置に戻すことが難しい場合があります。

本人が足のずれに気づいていないこともあるため、介助者による確認が重要です。

② 介助者から足元が見えにくい

車いすを後ろから押す場合、介助者は進行方向や周囲の安全に注意を向けます。

そのため、利用者の足元は視界に入りにくく、足がフットサポートから落ちていても気づかないことがあります。

テクノエイド協会も、足元は介助者から見えづらい死角になりやすいことを指摘しています。

家族で確認!車いすの安全を守る3つのチェックポイント

大切なご家族を足の巻き込み事故から守るために、外出前や移動中に次の3点を確認しましょう。

① 足の裏がフットサポートに乗っていますか?

まずは、左右の足がフットサポートに適切に乗っているか確認しましょう。

確認するポイントは次のとおりです。

  • 左右の足がフットサポートから外れていないか
  • 足先やかかとが車輪やキャスターに近づいていないか
  • 膝や足首に無理な姿勢が生じていないか

フットサポートの高さや位置が身体に合っていないと、足が不安定になる場合があります。

高さの調整が必要な場合は、自己判断で変更せず、福祉用具専門相談員などに相談しましょう。

② レッグサポートなどの安全装備は適切に取り付けられていますか?

車いすには、足が落ちることを防ぐためのレッグサポートや、かかとを保持するフットサポートベルトなどが備わっている機種があります。

これらは車いすによって構造や仕様が異なります。

確認したいのは次のポイントです。

  • 必要な安全装備が取り付けられているか
  • ベルトなどに破損や劣化がないか
  • 正しい位置に取り付けられているか

介助者の都合などでレッグサポートを外したまま使用することが、足の落下につながる要因の一つとして挙げています。

安全装備を外したままにせず、車いすの取扱説明書に従って使用することが大切です。

③ 車いすを押すときは足元も確認していますか?

車いすを押すときは、進行方向だけでなく、利用者の足元にも目を向けましょう。

特に、移動を始める前や方向転換をした後、段差を通過した後などは、足の位置を確認するよいタイミングです。

足がずれていることに気づいたら、いったん安全な場所で車いすを止め、本人の状態を確認してから対応しましょう。

足の位置を直す際も、無理に引っ張ったり、関節を動かしたりせず、必要に応じて介助者や専門職に相談してください。

学生・若手福祉用具専門相談員へのアドバイス

車いすの安全確認では、車体やブレーキの状態だけでなく、利用者の身体と車いすが適切に適合しているかを見ることが重要です。

特に意識してほしいのは、次の3点です。

  • 利用者の足の位置や座位姿勢を観察する
  • レッグサポートなどの安全装備が適切に使用されているか確認する
  • 介助者が足元を確認できるよう、具体的な確認方法を伝える

福祉用具の安全性は、製品そのものの性能だけで決まるものではありません。

利用者の身体状況、用具の適合、使用方法、介助環境を総合的に考える視点を身につけましょう。

色のユニバーサルデザインから考える安全

車いすの安全確認を伝える際には、色のユニバーサルデザイン(CUD)の視点も役立ちます。

例えば、車いすの点検箇所や注意事項を資料にまとめる場合、危険箇所を赤色だけで示すのではなく、矢印やマーク、文字による説明も組み合わせることが大切です。

色の見え方は人によって異なります。

大阪府などの公的機関が示す色使いのガイドラインでも、色だけに頼らず、文字や記号、形状などを併用する工夫が推奨されています。

安全情報は、誰にとっても分かりやすく伝わることが重要です。

まとめ|車いすの安全は足元への気配りから

車いすのフットサポートから足がずり落ちると、車輪などに接触してケガにつながる危険があります。

今回紹介したポイントは、特別な知識や道具がなくても確認できるものです。

大切なのは、外出前の確認だけでなく、移動中も利用者の足元に気を配ることです。

車いすを押す人のちょっとした目配りが、安心して外出できる環境につながります。

今日から使える安全アドバイス

車いすで外出するときは、次のポイントを確認しましょう。

  • □ 左右の足がフットサポートに適切に乗っている
  • □ 足先やかかとが車輪・キャスターに接触していない
  • □ レッグサポートなどの安全装備が適切に取り付けられている
  • □ ベルトなどに破損や劣化がない
  • □ 移動中も定期的に足元を確認している

「前を見る」だけでなく「足元を見る」。

この小さな習慣を、ぜひご家族や周囲の方と一緒に実践してみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

著者プロフィール

福祉用具・介護用品・製品安全分野に長年携わり、製品の安全性や品質向上、事故予防に関する業務に従事してきました。

福祉用具は、利用者の生活や自立を支える大切な道具です。一方で、使用環境や身体状況によっては、思わぬ事故やヒヤリハットが発生することもあります。

これまでの経験を通じて、「事故はなぜ起こるのか」「どうすれば防げるのか」を常に考えながら、製品安全やリスクマネジメントに取り組んできました。

このブログでは、福祉用具や介護用品の安全な使い方、事故予防のポイント、製品安全に関するニュースや話題を、できるだけ分かりやすくお伝えしています。

また、YouTubeチャンネル「福祉用具あんしんナビ」では、福祉用具に関するニュースや安全情報を音声コンテンツとして配信しています。

利用者、ご家族、福祉用具専門相談員、介護職の皆さまが、安全で安心な生活を送るための一助となれば幸いです。

目次